現実にあった警察官とのやり取りの話
パトカーの高速道路での制限速度は無制限だとか、180キロくらい出していいんじゃない?とか勘違いしている人が多いですが、パトカーの高速道路での制限速度は一般車と同じ100キロ、新東名に限っては120キロが正解です。
パトカーの高速道路での制限速度は一般車と同じ100キロ、新東名に限っては120キロだと勘違いしている人が多いですが、スピード違反を取り締まる目的で緊急走行中のパトカーの制限速度は無制限だと法律で定められています。
もう時効を過ぎた昔の話をします。パトカー(GTR)が猛スピードで高速道路を走っていたので、その後ろをプレリュード(2.2L VTECエンジンを積んだ結構速いやつ)でついていきました。そうしたら前方に普通の速度で走っている普通のパトカーがもう一台現れました。「これを追い越したら捕まるな」と直感的に判断し、速度を落として普通の速度で走っている普通のパトカーの後ろを走りました。そして、普通のパトカーの速度が80キロまで落ちたことを確認した後、追い越したら、後ろからサイレンを鳴らされ、停止するようスピーカーで呼び止められました。
路肩に止めて、警察官の説教が始まりました。「お前、何キロ出していたと思ってるんだ?」という警察官の質問に対する私の答えは決まっていました。「法定速度で走っているハズの車(GTRのパトカー)の後ろを走っていたので法定速度を超えているハズがありません。」です。
その後も警察官の説教は続きましたが、その場で無罪放免になりました。
余談ですが、そのGTRのパトカーの前にはもう一台猛スピードで走っていた一般車がいました。
私はGTRのパトカーの後ろを走っているときスピードメーターを見ていないし、GTRのパトカーは法定速度を超えていたハズがないし、私も法定速度を超えていたハズがないし、私は普通のパトカーに呼び止められたため、その後、猛スピードで走っていた一般車とGTRのパトカーがどうなったか見たわけでもありません。
よってここから先は想像の世界ですが、GTRのパトカーの前を走っていた一般車は150キロオーバーの違反点数12点の一発免停になったに違いないと思っています。
また、後日、富士スピードウェイで実際に確認したから知っているのですが、私のプレリュードは180キロでスピードリミッターが働いてそれ以上はスピードが上がらない仕様でした。ですので、あり得ないことではありますが、万一GTRのパトカーが180キロ以上出していたとしたら理論上私のプレリュードはGTRに追い付くことができなかったという話にもなります。
更に後日談になります。昨日、警察署に行きました。
私「時速160キロくらいの猛スピードで走っていた車がいたので通報しに来ました!」
警察官「詳しく話を聞くので中に入って貰えますか?」
と言われたので小さな会議室に入りました。
警察官「どんな車がいつどこでそんなスピードで走っていましたか?」
私「20年くらい前、東名高速で、上半分が白で下半分が黒くて赤いパトライトを付けた車が時速160キロくらいで走っていたので、ついていきました。」
警察官「つまり緊急走行していたパトカーについていったわけですね?緊急走行中のパトカーは法定速度から除外されているので緊急走行中のパトカーにはついていかないで下さい。」
私「インターネットで調べたら新東名以外の高速道路を緊急走行中のパトカーの制限速度は100キロだって書いてありますよ。」
警察官「はい。そうですね。高速道路上を緊急走行中のパトカーの制限速度は100キロです。じゃあ、あなたの車は何キロ出てたのですか?」
私「いや、スピードメーターを見ていないので正確な速度はわかりませんが猛スピードでした。」
警察官「そうですよね?99キロだったかもしれないし100キロだったかもしれない。」
私「いやいやいや、私の感覚的には160キロくらいでしたよ。」
警察官「あなたの感覚は法律じゃないので関係ありません!」
警察官「はい!この話はおしまい!」と言って笑っていました。
この話の論点を解説すると、屁理屈に対しては屁理屈で返せば大丈夫というお話です。
警察の主張の何がどう屁理屈なのか?
「緊急走行中のパトカーは法定速度から除外されている。」という話は確かにその通りです。しかし、それは警察組織という枠の中で決められた屁理屈であり、緊急走行中のパトカーが何キロ出そうとオービスが光ろうと、全く関係なしに警察という組織は緊急走行中のパトカーの違反記録、証拠を検察や裁判官に提出しないという内規に過ぎません。
つまり「一般車が、前の車の速度を計る精密な装置を取り付け、緊急走行中のパトカーについていき、緊急走行中のパトカーの速度を計り、検察に提出すれば、緊急走行中のパトカーを速度違反で捕まえることが出来る。」という単なる笑い話です。
「一般車が警察を捕まえることが出来る」という笑い話を35年前に教習所で習った私は、本当だと信じていたため、20年前に試してみたのです。
そして、今日、ようやく知った話ですが、教習所の教官の話は大間違いでした。以下の法律でしっかり定められていました。
道路交通法
第二十二条 車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
(緊急自動車等の特例)
第四十一条
2 第二十二条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない。
この法律がありながら、私が無罪放免になった理由を考えてみました。
刑法
(故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
この刑法 第三十八条が適用できると警察によって判断されたが故に無罪放免になっただけであるとようやく知りました。
また、この話は20年以上前の話であり、今のパトカーには後ろの車の速度を計る計測器も付いているかもしれません。というかドライブレコーダーは間違いなく付いているでしょう。今、同じことをやったら、そのドライブレコーダーの記録を元に確実に捕まります。そんなことよりも何よりも、制限速度を超えて走るとあなた自身が事故って死ぬ可能性があります。
というか本当に死にます。私の取引先の社員は首都高湾岸線を猛スピードで走り、自爆して死にました。私は葬儀に参列しました。若い方でした。みんな泣いていました。私も大泣きしました。でも、葬儀の参列者は家族、親戚とわずかな社員達だけでした。
スピード違反で自爆して亡くなっても仲の良かった友人達ですら自業自得だと判断し、葬儀に参列して貰えない寂しい最後を迎えることになります。
スピード違反をすると本当に死にます。
これが最後に伝えたい本当のメッセージです。